2010年05月06日

組織作りの3つのポイント 中小企業団体

堀池真也氏
堀池行政書士事務所 

滋賀で創業・起業する人をサポートしたい!とお考えのコンサルタント、士業の方によるコラムです。
コラム

行政書士 堀池真也

<組織作りの3つのポイント>

 第1回 「株式会社」
 第2回 「有限会社」
 第3回 「合同会社」
 第4回 「合資・合名会社」
 第5回 「任意団体」
 第6回 「NPO法人」
 第7回 「一般社団法人」
 第8回 「一般財団法人」
 第9回 「LLP(有限責任事業組合)」
 第10回 「中小企業団体」


 こんにちは!行政書士の堀池です。「組織づくりの3つのポイント」について、全10回シリーズでお届けいたします。
様々な法人組織の形態と、その設立メリット、タイミングについてお伝えしています。

これから起業されたいとお考えの方が、どんな組織を選べばいいのかについて、簡単なアドバイスを書いております。
是非、ご参考にして下さい。
今回は「 中小企業団体 」についてです。それでは、早速いきましょう!

<組織作りの3つのポイント  >

第十回「中小企業団体」

(1)どういう組織なのか?

 中小企業団体の主な例としては、大きく二種類に分けて、「事業協同組合」と「商工組合」があります。いずれも、組合ですので、法人格はありません。
後者の商工組合は、各地域にある、商工会議所や商工会のことを指します。ここでは、主に事業協同組合について、お伝えします。

 事業協同組合とは主として異業種あるいは同業種の中小企業が集まることにより組織を強化して、共同受注や共同生産、共同購入や組合員の福利厚生を行うなど、構成員の組合員の営利のためにつくられる組織で、中小企業等協同組合法に基づく組合のことをいいます。

 そして、事業協同組合は営利を目的とはしませんが、収益をあげて組合員のための資産に投資するなどの行為は可能です。 つまり、事業協同組合は、株式会社、合同会社などの営利法人と、社会福祉法人などの公益法人との間に位置すると考えて頂ければいいと思います。

 事業協同組合は組合員の事業を支援・助成するための事業ならばほとんどすべての事業を行えます。共同生産事業や研究開発事業、情報提供事業、人材育成事業、市場開拓や販路拡大事業も出来ます。

 事業協同組合は、「4人以上の中小企業者」が発起人となり、定款,事業計画,収支予算等を作成しで所轄庁の設立認可を受けて、登記をすることにより設立します。その発起人は、事業主(法人又は個人事業者)でなくてはなりません。

(2・3)メリットと設立のタイミングは?

 事業協同組合の設立のメリットは、弱体の中小企業が集まることにより、一つの組合として法人格を得ることにより組織を強化する点にありますが、具体的には次のようなことがあげられます。

 事業協同組合は行政庁の認可を受けた中間法人です。 したがって、その社会的地位や公益的役割により信用度は高くなります。 そのため、事業協同組合を設立すると、例えば、行政に対する発言力は大きくなりますし、取引においても対外的に与える信用は大きくなります。

 事業協同組合は、国がその振興発展のために補助してくれるという利点があります。 また、事業協同組合を設立すると、中小企業組合の専門金融機関である商工中金や、中小企業事業団などによる低利長期の融資が受けられたり、また民間の金融機関においても融資は受けられやすくなることが言えます。
  異業種間の事業協同組合であれば、組合の中で仕事を回すなどの協同作業のネットワークが構築できるなどのほか、組合として仕事を受注し組合員に発注したり、組合員が取り扱う製品を組合がまとめて販売するといったことも可能です。

また、事業協同組合を設立して1年以上経過した事業協同組合が「官公需受適合組合」として
認められれば、公共工事など官庁から仕事が流れてきやすいといったメリットもあります。

事業協同組合には、その性格が営利の追求を目的としない認可法人ですので、それに見合う特別税制がひかれてあります。 例えば、法人税・印紙税・事業税・不動産取得税・固定資産税・事業所税などの軽減措置です。

 これ以外にも事業協同組合を設立することによるメリットはいろいろと考えられますが、SOHOや在宅ワークなど、規模の縮小化・合理化の形態が多くなってきている今日の情勢を考えると、緩やかな結合により大企業でしか得られなかったメリットを享受できる事業協同組合は、時代にマッチした組織形態だといえます。

 事業協同組合を設立すると、多くのメリットがある反面、当然デメリットも存在します。組合は共同事業となるので、組合の利益をするため、逆に組合員の活動を制約してしまう可能性があります。

 また、事業協同組合は法人課税されますので、個人の所得と通算できる有限責任事業協同組合(LLP)と比べると税制上の特典は少ないといえます。そして、事業協同組合の設立手続きは非常に時間がかかります。概ね会社設立の5倍、NPO法人設立の2倍ぐらいは手間と時間がかかります。

 以上のことを踏まえて、設立を検討されるといいかと思います。詳しいことは、メール等で個別に聞いて頂いて結です。以上が第十回「中小企業団体」の内容です。

 今回で最後となりました、この「組織作り3つのポイント」のコラムですが、創業されたいとお考えの、皆さんのお役に立てたでしょうか。分かりにくい所や、もっと聞きたい内容等がございましたら、何なりとお申し付け下さい。

 全10回に渡って読んで頂き、本当にありがとうございました。来週からは、新しいコラムが始まると思いますので、そちらもお楽しみにしていて下さい。


 
 
 
 



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2010年05月01日

LLP(有限責任事業組合)」

堀池真也氏
堀池行政書士事務所 

滋賀で創業・起業する人をサポートしたい!とお考えのコンサルタント、士業の方によるコラムです。
コラム

行政書士 堀池真也

<組織作りの3つのポイント>

 第1回 「株式会社」
 第2回 「有限会社」
 第3回 「合同会社」
 第4回 「合資・合名会社」
 第5回 「任意団体」
 第6回 「NPO法人」
 第7回 「一般社団法人」
 第8回 「一般財団法人」
 第9回 「LLP(有限責任事業組合)」
 第10回 「中小企業団体」


 こんにちは!行政書士の堀池です。「組織づくりの3つのポイント」について、全10回シリーズでお届けいたします。
様々な法人組織の形態と、その設立メリット、タイミングについてお伝えしています。

これから起業されたいとお考えの方が、どんな組織を選べばいいのかについて、簡単なアドバイスを書いております。
是非、ご参考にして下さい。
今回は「 LLP(有限責任事業組合)」 」についてです。それでは、早速いきましょう!

<組織作りの3つのポイント LLP(有限責任事業組合)」 >

第九回「LLP(有限責任事業組合)」

(1)どういう組織なのか?

 LLPとは、「Limited Liability Partnership」の略で、2005年8月から設立できるようになった、「有限責任事業組合」という組織です。「組合」ですので、株式会社や合同会社のように、法人格はありません。生協(生活協同組合)や会社の労働組合などと同じ組合になります。

 ただ、LLPは普通の組合ではなく、法人と組合のメリットを持った新しい形態の組合になります。民法上の組合では「無限責任」が採用されているのに対して、LLPは、法人の良さである構成員の有限責任を持ちながら、民法上の特徴である運営の自由という面を持っています。

 また、「構成員課税」という、税制上のメリットもありますので、LLPは活用の仕方では無限の可能性を持った組織ということになります。

 LLPを設立するには、最低2名の組合員が必要になります。そして、その組合員はそれぞれ最低1円以上出資しなければなりません。LLPは、最低2名、資本金2円からスタートできる組織ということになります。登録免許税は6万円です。

 また、LLPという組織では、許認可取得の主体にはなることが出来ませんので、そうしたビジネスをされたいときは、株式会社等の組織を選んで下さい。


(2)メリットは?

 LLPの特徴として、まずは「有限責任」ということがあります。これは、もうご存知の通り、出資している額についてのみ責任を負うという原理です。従来の組合組織に比べて、リスクは軽減されると言えます。

 そして、「内部自治の柔軟性」ということも挙げられます。内部的な役割分担も、原則として総組合員の土同意があればいいですので、自由な運営が可能です。LLPは出資の割合に関係なく、重要な決定事項や利益配分を行うことが出来ます。

 そして、大きな特徴として、「構成員課税(パス・スルー課税)」というのもがあり、LLP自体には課税されずに組合員に直接課税されるものです。組合に課税されないので、各組合員個人で、確定申告をする必要があります。

 LLPが損失を計上した場合でも、出資の範囲の損失であれば、組合員はその損失をLLP以外の所得と通算出来ますので、所得税を安く抑えることが出来ます。

 また、LLPの組合員は、業務の執行について責任を持ち、事業を共同して行わなければならないので、出資だけして事業に関わらないというのは、原則として出来ません。LLPの業務執行の意思決定は、原則として組合員全員の合意が必要です。

 これは、LLPはリスクが高いビジネスでも積極的に出来るようにと、有限責任を与えられた民法上の特例です。そのため債権者にとってはリスクが高いですので、LLPの構成員が必ず業務を行うことが求められているのです。

(3)設立のタイミングは?

 LLPは、共同でビジネスをする、ジョイントビジネスに向いていると言えます。組合員の出資比率に関係なく利益を配分できますので、お金を出す人とアイディアを出す人がいて、それでビジネスが成立すれば、LLPを作るメリットはあります。

 また、構成員課税が採用されている点を考えると、新たな事業を既に存在する複数の会社で行うよりも、LLPにして事業主体を明確にすることで、誰がみても分かり易い組織にするというメリットもあります。収益のすべてを分配することも可能です。

 また、産学連携にも有利です。企業が大学に出資をして技術開発をさせて、その資金で特許をとれる技術を大学が開発したとします。その技術を今度は出資した企業が特許を取り、その技術で利益を独占的に得ることが出来ます。こうした組織作りに、LLPは向いています。

 ただ、LLPは組織が大きくなっても、株式会社に組織変更は出来ませんので、その場合は以前お伝えしたLLC(合同会社)を設立されるのがいいと思います。

 以上が、LLPの内容になります。次回は最終回の、「中小企業団体」です。商工組合が中心ですので、あまり一般の方が作られることはないかと思いますが、最後もしっかりお伝えしていきたいと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
 







  



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2010年04月23日

組織作りの3つのポイント 一般財団法人

堀池真也氏
堀池行政書士事務所 

滋賀で創業・起業する人をサポートしたい!とお考えのコンサルタント、士業の方によるコラムです。
コラム

行政書士 堀池真也

<組織作りの3つのポイント>

 第1回 「株式会社」
 第2回 「有限会社」
 第3回 「合同会社」
 第4回 「合資・合名会社」
 第5回 「任意団体」
 第6回 「NPO法人」
 第7回 「一般社団法人」
 第8回 「一般財団法人」
 第9回 「LLP(有限責任事業組合)」
 第10回 「中小企業団体」


 こんにちは!行政書士の堀池です。「組織づくりの3つのポイント」について、全10回シリーズでお届けいたします。
様々な法人組織の形態と、その設立メリット、タイミングについてお伝えしています。

これから起業されたいとお考えの方が、どんな組織を選べばいいのかについて、簡単なアドバイスを書いております。
是非、ご参考にして下さい。
今回は「一般財団法人」についてです。それでは、早速いきましょう!

<組織作りの3つのポイント 一般財団法人 >


第八回「一般財団法人」

(1)どういう組織なのか? 

 前回の社団法人とは違い、人の集まりではなく、「財産の集まり」が財団法人になります。
財団法人は、財産が中心ですので社団法人と違って、原則として社員がいません。
財産の管理者が財産を運用し、その運用によって生ずる収入で、活動を行います。
団というのは、財産の運用が公益活動そのものになります。

 新制度の一般財団法人は、設立時の財産として設立者が最低300万円以上拠出することが必要です。
この財産は、一般社団法人の基金(※詳しくは前回を参照)とは違って、寄付金と同じ意味のため、返還することが出来ません。

 財産の最低金額が300万円ということにもなり、小規模な法人でも設立することが出来るようになりました。

これは、誰でも簡単に設立出来るということを意識して、中間法人法にある「有限責任中間法人」の最低拠出金額の、300万円に落ち着いたとのことです。


 組織としては、業務を執行する「理事会」と、業務監査・会計監査を行う「監事」、諮問。
審議機関としての「評議員会」を設置しなければいけません。

これまで、財団法人には社員という制度がありませんでした。
このため、理事会が強大な権限を持っていたので、それをチェックする機関として、「監事」と「評議員会」が設けられました。

 一般財団法人は、定款を公証役場で認証してもらい、財産を拠出する人(設立者)が300万円以上の財産を拠出し、法務局で登記をすることで成立します。

定款の認証費用として5万円、登録免許税の6万円が必要です。
ただし、一般社団法人は2人からでも設立出来ますが、一般財団法人は、理事(3人以上)や評議員(3人以上)、監事(1人以上)をおかなければならないため、最低でも10人程度は必要になります。

 また、設立者は遺言で一般社団法人を設立する意思を表示することも出来ます。
この場合、遺言執行者は、その遺言で定めた事項を記載した定款を作成します。

設立者の最低人数に制限はありませんので、1人でもOKです。

 一般社団法人に認められていた、「基金制度」(※前回参照)は、財産的基礎を充実させるための手段でしたので、設立時や存続中に300万円という一定額の財産を必要とする一般財団法人には、この制度は認められません。

 一般財団法人は、定款で定めた存続機関の満了や、目的事業成功の不能、破産手続き開始の決定などの他、純資産が2期連続して300万円を下回った時にも、解散をしなくてはいけません。

また、一般財団法人は、設立者の定めた目的を実現すべき法人で、一般社団法人とは違い、設立後に評議員会などの意思決定によって、自主的に解散することは出来ないとされています。

(2・3)メリットと設立のタイミングは?

 これまでよりも、比較的簡単に財団法人を設立しやすくなりました。先程もお伝えしたように、目的である事業を行うために不可欠なものとして、300万円以上の基本財産が必要です。
基本財産は、一般企業の資本金に相当しますので、普段使用する「運用財産」とは異なり、取り崩すことには厳しい制限があります。

 その為、「公益」を意識した活動をされたいと考えておられる方は、一般社団法人を一つのステップとして、なるべく早く、「公益財団法人」にバージョンアップされるのが必要不可欠だと思います。
ただ、公益財団法人の認定は、相当難しいものだということも覚えておいて下さい。

 その他メリットとしては、一般社団法人と同じく、介護保険や自立支援事業を行う際に法人格を取得しておくと、補助金や助成金がもらえるということもあります。

 逆に、敢えてデメリットを挙げるとすれば、事業計画や収支予算の厳守が厳しく求められ、
活動内容はある程度制約されます。また、経理について、毎年、事業年度や収支計算書などの資料の備え付けや機関決定が求められます。

 任意団体等から、一般財団法人を設立されたいとお考えの方は、その辺りを意識して頂ければと思います。

 以上が、「一般財団法人」についてです。前回に引き続き、少し難しかったかもしれません。

次回は、「LLP(有限責任事業組合)」についてです。最近注目の組織についてお伝えします。

 今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
 
 
 
 


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2010年04月15日

一般社団法人

堀池真也氏
堀池行政書士事務所 

滋賀で創業・起業する人をサポートしたい!とお考えのコンサルタント、士業の方によるコラムです。
コラム

行政書士 堀池真也

<組織作りの3つのポイント>

 第1回 「株式会社」
 第2回 「有限会社」
 第3回 「合同会社」
 第4回 「合資・合名会社」
 第5回 「任意団体」
 第6回 「NPO法人」
 第7回 「一般社団法人」
 第8回 「一般財団法人」
 第9回 「LLP(有限責任事業組合)」
 第10回 「中小企業団体」


 こんにちは!行政書士の堀池です。「組織づくりの3つのポイント」について、全10回シリーズでお届けいたします。
様々な法人組織の形態と、その設立メリット、タイミングについてお伝えしています。

これから起業されたいとお考えの方が、どんな組織を選べばいいのかについて、簡単なアドバイスを書いております。
是非、ご参考にして下さい。
今回は「 一般社団法人 」についてです。それでは、早速いきましょう!

<組織作りの3つのポイント 一般社団法人 >


第七回「一般社団法人」

(1)どういう組織なのか?

 まず、一般社団法人をご説明する前に、平成20年12月1日から施行された「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」で、営利(剰余金の分配)を目的としない社団や財団について、法人が行う事業の公益性に関わらず、登記のみで簡単に設立出来るようになりました。

 NPO法人ですと、設立に際して、所轄庁の認証を受けなければ設立できませんが、これからご説明します「一般社団・財団法人」は、所轄庁の許認可を必要とせずに、定款の認証と登記手続きだけで、設立できるようになりました。

 では、改めて今回の一般社団法人の説明をします。まず、「人」の集まりが「一般社団法人」であり、「財産」の集まりが「一般財団法人」です。そして、その中でも特定の者の利益を追求しない「非営利法人」に分類されます。

 非営利法人は、さらに不特定多数の者の利益を追求する「公益」かそうではない「非公益」に分かれます。新制度で誕生した一般社団法人は、必ずしも公益目的である必要はありません。

自分たちの利益を追求する「私益」であっても、メンバーの利益を追求する「共益」であってもいいのです。

 一般社団法人は、設立者として最低2名以上の人が集まって作ります。
主に、「社員」で構成される「社員総会」が最高意思決定機関になります。
社員が1人になっても解散はしませんが、社員が0人になると、「人」の集まりである社団法人は解散することになります。

 さきほどの社員2名と社員総会の他に、業務執行機関としての「理事」を最低1人は置かなくてはいけません。また、定款の定めによって、監事や理事会、会計監査人を置く事も出来ます。

 また、活動の資金として、「基金制度」というのを採用する事が出来ます。
これは、社員や社員以外から財産を拠出してもらう制度で、最低金額の制限はありませんので、いくら集めてもかまいません。
さらに、一般財団法人の最低資本に制限はありませんので、基金「0円」で一般社団法人を作ることも可能です。

 新しく誕生した「一般社団法人」は、事業内容が、必ずしも公益目的である必要がないので、
「公益法人」という表現からは遠く離れてしまうものになりました。


(2)メリットは?

 法人化することで一般的に得られるであろうメリットとして、社会的信用の増加や団体名で不動産の登記が出来るといったことの他に、介護事業や自立支援事業を行う場合、都道府県から指定を受ける際に、法人化が義務付けられていることがあります。

 任意団体(※詳しくは第五回)ではこれらの事業は出来ませんし、行政からの業務委託を受ける際には、法人化が義務図けられていることも多いです。この他、補助金や助成金を受け取る際にも、法人の方が有利です。

(3)設立のタイミングは?

 設立のタイミングに際して、他の法人との比較を説明します。まず、一般社団法人は、株式会社と同じく利益追求型の事業をやってもかまいません。ただ、株式会社は利益を株主に配当するのですが、一般社団法人は非営利団体ですので、剰余金の分配は原則禁止されています。なお、給与は剰余金の分配には当たりません。

 また、NPO法人が所轄庁の認証が必要で、設立後の管理も所轄庁が行うのに対して、一般社団法人は、定款の認証と登記手続きだけで設立出来ます。費用に関しては、NPO法人費用はかかりませんが、一般社団法人は定款の認証に5万円、設立登記に6万円の、計11万円程度がかかります。設立時間は、NPO法人は2~4ヶ月、一般社団法人は2週間程で設立出来ます。

 ただ、一般社団法人又は一般財団法人は、株式会社やNPO法人との間で、合併することは出来ませんので、これらの組織に変更することは出来ません。ただ、他の一般社団法人又は一般財団法人との間で、合併することは出来ます。

 よって、非営利法人を素早く作りたい時には、NPO法人よりも早く設立出来ますし、事業内容も必ずしも「公益事業」でなくていいので、幅広く活動されたい時にはいいかと思います。

 長くなりましたが、以上が一般社団法人の内容になります。次回は「一般財団法人」です。今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

最後まで読んで頂きありがとうございました!





  


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2010年04月09日

NPO法人

堀池真也氏
堀池行政書士事務所 

滋賀で創業・起業する人をサポートしたい!とお考えのコンサルタント、士業の方によるコラムです。
コラム

行政書士 堀池真也

<組織作りの3つのポイント>

 第1回 「株式会社」
 第2回 「有限会社」
 第3回 「合同会社」
 第4回 「合資・合名会社」
 第5回 「任意団体」
 第6回 「NPO法人」
 第7回 「一般社団法人」
 第8回 「一般財団法人」
 第9回 「LLP(有限責任事業組合)」
 第10回 「中小企業団体」


 こんにちは!行政書士の堀池です。「組織づくりの3つのポイント」について、全10回シリーズでお届けいたします。
様々な法人組織の形態と、その設立メリット、タイミングについてお伝えしています。

これから起業されたいとお考えの方が、どんな組織を選べばいいのかについて、簡単なアドバイスを書いております。
是非、ご参考にして下さい。
今回は「 NPO法人 」についてです。それでは、早速いきましょう!

<組織作りの3つのポイント NPO法人 >

第六回「NPO法人」

(1) どういう組織なのか?

NPO法人とは、Non Profit Organizationの略語で、非営利組織、つまり「利益を目的としない組織」のことを言います。
営利を目的としない市民の活動が、NPO法人の活動だと考えて下さい。

人の集まりであるNPO法人は、社団法人の一種として、「NPO法に基づいて都道府県または内閣府の認証を受けて設立された法人」のことを言います。
正式には、「特定非営利活動法人」と言い、

特定非営利活動とは、

(1)法が定める17種類の分野に当てはまるものであり、
(2)不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とする活動のことです。

NPO法人について定めたNPO法では、「特定非営利活動」を行う団体に対して、
法人格を簡易・迅速に取得させること等により市民の自発的・自立的な社会貢献活動を促進し、
もって社会全体の利益を増進することを目的としています。

NPO法人が利益を目的としないというのは、株式会社などが資本金を集めて事業をして、
出た利益を株主などに分配するのに対して、
NPO法人はこうした、「利益の分配をしない」という意味です。

NPO法では、余ったお金を社員(ここでは会員のこと)で分けてはいけないということになっています。これさえ守っていれば事業所得を得てもいいし、職員が給料をもらってもいいのです。

活動が順調に進んで、決算期にお金が余ってしまったら、会員や理事で山分けはできないので、
そのお金を次の期に繰り越すことになります。

(2) メリットは?

株式会社等と違い、設立の際に必要な資金は「0円」です。

株式会社ですと、最低でも印紙代や登録免許税の関係で24万円は必要になりますが、
NPO法人は、費用は全く必要ありません。
ただ、資金がなくては活動自体が出来ませんが、まとまったお金は必要ありません。
NPO法人の設立には時間を要します。

書類を役所に出してから、設立出来るまで4カ月程かかるのが通常です。

NPO法人の活動内容を、市民に広く知ってもらう必要性がありますので、
設立が完了するのは、準備を始めてから6ヶ月後くらいと見ておいた方が良いでしょう。

また、NPO法人は、「特定非営利活動」以外に、「その他の事業」というのが出来ます。

これはズバリ、儲かる事業をやってもいいという事なのです。
最初から豊富な資金が無い場合や、本来事業だけでは活動資金が集まらなくなってきた時には、
「その他の事業」として収益を上げることが出来ます。

但し、ここからが重要です。
「その他の事業」で得た収益は、全額本来の事業の方に入れなければなりません。
もちろん、山分けは出来ませんし、儲けの事業はあくまでも本来の事業をやるための活動ですから、それがメインになってはいけません。

NPO法人の運営方針によれば、その他の事業の支出額は総支出額の2分の1以下であることが必要とされています。

さらに、NPO法人の大きな義務は、事業年度終了後に事業報告書や収支計算書などの書類を提出しなければならないことです。
これを忘れると催告の連絡がきますし、守らなければ罰則が設けられています。
定款に関しても、変更すればいちいち認証を申請しなければなりません。

ただ、こうした義務があることで、NPO法人が公に認められた組織であると認識されるという点では、
公共性を重視した活動をされる際には、メリットと考えることも出来るかと思います。


(3) 設立のタイミングは?

NPO法人を設立するために必要な要件は以下の8つです。

(1)特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること
(2)営利を目的としないこと(利益を社員で配分しないこと)
(3)社員(総会で議決権をもつもの)の資格の得喪に関して、不当な条件をつけないこと
(4)役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること
(5)宗教活動や政治活動を主な目的としないこと
(6)特定の公職者又は政党を推薦、支持、反対することを目的としないこと
(7)暴力団でないこと、暴力団または暴力団の構成員等の統制下の団体でないこと
(8)10人以上の社員(会員)を有すること

   また、「特定非営利事業」とは、以下の17分野です。

①保険、医療または福祉の増進を図る活動
②社会教育の推進を図る活動
③街づくりの推進を図る活動
④学術、文化、芸術またはスポーツの振興を図る活動
⑤環境の保全を図る活動
⑥災害救援活動
⑦地域安全活動
⑧人権擁護または平和の推進を図る活動
⑨国際協力活動
⑩男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
⑪子供の健全育成を図る活動
⑫情報社会の発展を図る活動
⑬科学技術の振興を図る活動
⑭経済活動の活性化を図る活動
⑮職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
⑯消費者の保護を図る活動
⑰前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動

結論から言えば、どの特定非営利活動を行うかが決まっており、最低10人の社員がいればいいのです。
役員は理事が3人以上、監事が1人以上必要です。

前回もお伝えしたように、初めは任意団体で活動を始めて、会員の数や事業収益が見込まれてきたら、NPO法人に移行するという方法が一般的です。
任意団体の解散とNPO法人の成立を同時にして、任意団体の会員も財産もNPO法人へ移行することが出来ます。

以上がNPO法人の概要についてです。より詳しい内容等につきましては、私のホームページ(http://www.npo-houjin.com/)をご覧ください。

最後まで読んで頂きありがとうございました!





  


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