2010年05月01日

LLP(有限責任事業組合)」

堀池真也氏
堀池行政書士事務所 

滋賀で創業・起業する人をサポートしたい!とお考えのコンサルタント、士業の方によるコラムです。
コラム

行政書士 堀池真也

<組織作りの3つのポイント>

 第1回 「株式会社」
 第2回 「有限会社」
 第3回 「合同会社」
 第4回 「合資・合名会社」
 第5回 「任意団体」
 第6回 「NPO法人」
 第7回 「一般社団法人」
 第8回 「一般財団法人」
 第9回 「LLP(有限責任事業組合)」
 第10回 「中小企業団体」


 こんにちは!行政書士の堀池です。「組織づくりの3つのポイント」について、全10回シリーズでお届けいたします。
様々な法人組織の形態と、その設立メリット、タイミングについてお伝えしています。

これから起業されたいとお考えの方が、どんな組織を選べばいいのかについて、簡単なアドバイスを書いております。
是非、ご参考にして下さい。
今回は「 LLP(有限責任事業組合)」 」についてです。それでは、早速いきましょう!

<組織作りの3つのポイント LLP(有限責任事業組合)」 >

第九回「LLP(有限責任事業組合)」

(1)どういう組織なのか?

 LLPとは、「Limited Liability Partnership」の略で、2005年8月から設立できるようになった、「有限責任事業組合」という組織です。「組合」ですので、株式会社や合同会社のように、法人格はありません。生協(生活協同組合)や会社の労働組合などと同じ組合になります。

 ただ、LLPは普通の組合ではなく、法人と組合のメリットを持った新しい形態の組合になります。民法上の組合では「無限責任」が採用されているのに対して、LLPは、法人の良さである構成員の有限責任を持ちながら、民法上の特徴である運営の自由という面を持っています。

 また、「構成員課税」という、税制上のメリットもありますので、LLPは活用の仕方では無限の可能性を持った組織ということになります。

 LLPを設立するには、最低2名の組合員が必要になります。そして、その組合員はそれぞれ最低1円以上出資しなければなりません。LLPは、最低2名、資本金2円からスタートできる組織ということになります。登録免許税は6万円です。

 また、LLPという組織では、許認可取得の主体にはなることが出来ませんので、そうしたビジネスをされたいときは、株式会社等の組織を選んで下さい。


(2)メリットは?

 LLPの特徴として、まずは「有限責任」ということがあります。これは、もうご存知の通り、出資している額についてのみ責任を負うという原理です。従来の組合組織に比べて、リスクは軽減されると言えます。

 そして、「内部自治の柔軟性」ということも挙げられます。内部的な役割分担も、原則として総組合員の土同意があればいいですので、自由な運営が可能です。LLPは出資の割合に関係なく、重要な決定事項や利益配分を行うことが出来ます。

 そして、大きな特徴として、「構成員課税(パス・スルー課税)」というのもがあり、LLP自体には課税されずに組合員に直接課税されるものです。組合に課税されないので、各組合員個人で、確定申告をする必要があります。

 LLPが損失を計上した場合でも、出資の範囲の損失であれば、組合員はその損失をLLP以外の所得と通算出来ますので、所得税を安く抑えることが出来ます。

 また、LLPの組合員は、業務の執行について責任を持ち、事業を共同して行わなければならないので、出資だけして事業に関わらないというのは、原則として出来ません。LLPの業務執行の意思決定は、原則として組合員全員の合意が必要です。

 これは、LLPはリスクが高いビジネスでも積極的に出来るようにと、有限責任を与えられた民法上の特例です。そのため債権者にとってはリスクが高いですので、LLPの構成員が必ず業務を行うことが求められているのです。

(3)設立のタイミングは?

 LLPは、共同でビジネスをする、ジョイントビジネスに向いていると言えます。組合員の出資比率に関係なく利益を配分できますので、お金を出す人とアイディアを出す人がいて、それでビジネスが成立すれば、LLPを作るメリットはあります。

 また、構成員課税が採用されている点を考えると、新たな事業を既に存在する複数の会社で行うよりも、LLPにして事業主体を明確にすることで、誰がみても分かり易い組織にするというメリットもあります。収益のすべてを分配することも可能です。

 また、産学連携にも有利です。企業が大学に出資をして技術開発をさせて、その資金で特許をとれる技術を大学が開発したとします。その技術を今度は出資した企業が特許を取り、その技術で利益を独占的に得ることが出来ます。こうした組織作りに、LLPは向いています。

 ただ、LLPは組織が大きくなっても、株式会社に組織変更は出来ませんので、その場合は以前お伝えしたLLC(合同会社)を設立されるのがいいと思います。

 以上が、LLPの内容になります。次回は最終回の、「中小企業団体」です。商工組合が中心ですので、あまり一般の方が作られることはないかと思いますが、最後もしっかりお伝えしていきたいと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
 







  



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Posted by ビジネスカフェあきんどひろば at 13:00│Comments(0)組織作りの3つのポイント
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