2010年06月03日
第4回 預金口座をまとめよう!
皆さん、こんにちは、FMラジオスイート81.5コメンテーター・税理士の小川宗彦です。
「起業家のための経理の勘どころ」について、全10回シリーズでお届け致します。
経理業務と一口に言ってもその内容は多岐に渡ります。
このコラムでは、それぞれの業務内容と経理処理ついて、ポイントを押さえ、わかりやすくお伝えしていきます。準備はよろしいですか?それでは、早速参りましょう!
第4回 「起業家のための経理の勘どころ」
~預金口座をまとめよう!~6月3日号
いつの間にか、増えてしまっている預金口座・・・。
そんな経験ありませんか?
銀行さんからとりあえず、口座開設をお願いされて作ってしまったケースです。
最近では、0円で口座開設をお願いしてくる銀行もあり、「時代と逆行してないか?」と思いますが、かくいう私も0円口座を勧誘されました(笑)。
さて、ここで起業家の皆さんに質問です。
「いま現在、御社の預金口座残高はいくらありますか?」
この問いに起業家の皆さんは1分以内に答えることができなければ、御社は資金管理ができていないと言ってもいいでしょう。
度々、辛口ですみません・・・。
やはり、ここはビシッと、答えて頂かなければなりません。
察するに、御社には何冊か通帳(かよい=業界用語)があって、A社からの入金、B社からの入金などがそれぞれ別口座に入金され、さらに支払い関係も複数の通帳からなされているのではないでしょうか?
また、その度に、あっちの口座からこっちの口座へと資金移動を繰り返し、毎月の支払いを済ませておられる感じでしょうか?
はっきり申し上げますと、預金口座を複数持つメリットは全くないと言ってよいでしょう。
むしろ、預金口座が多ければ多いほど、会社側の手間が増えるだけで管理するデメリットの方が大きいと言えます。
法人の決算の際には、保有している預金口座の数だけ残高証明書を請求しなければなりませんし、そこでも残高証明書発行手数料が一通あたりいくらとかかってしまいます。
そこで、預金口座はメインバンク一本に絞り、すべての入出金を集めてしまうのです。
こうすることによって、皆さんの会社の経理は以下の点でストレスフリーになります。
◎預金口座間での資金移動の時間と手間が減る。
売上の入金と振込や口座振替も一つの口座で行うことよって、預金通帳ごとの資金繰りがなくなります。
◎口座の記帳をする手間と残高確認作業が減る。
ちなみに、前回お話した「ネットバンキング」では、取引内容をパソコンで確認できるため、記帳の必要がなく、預金通帳を発行しない銀行もあります。
◎お金の流れがよくわかるようになる。
預金口座を一つにすることによって、お金の入金と出金がひと目で分かり、資金の流れがスッキリします。
これでもう、会社の預金残高が一瞬で分かるようになりますよね!
いずれにしても、銀行と取引関係を持つのは「借入れ」のためですが、融資はあくまで財務内容です。
「取引口座があるから、銀行融資をしてくれる。」のではありませんから、銀行さんとのお付き合いは、よく見極めて、戦略的にお付き合いしていきましょうね。
それでは、また!
参考文献
『キャッシュレス、伝票レス、社員レス!ココまでできる経理の合理化』
児玉尚彦著、日本能率協会マネジメントセンター、2004年。
『「儲かる経理」に30日で変わる究極の方法』
児玉尚彦著、日本実業出版社、2005年。
『陣川公平・経理マンの勉強法』陣川公平著、日本実業出版社、1979年。
『陣川公平・考える経理』陣川公平著、日本実業出版社、2001年。
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